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『小説』 無題 1

結子は、今日もお酒に飲まれていた。

 

ワイングラスが、何重にもゆがんで見える。

 

「もう1杯ちょうだい!」

 

と言って、ワイングラスを差し出す。

 

その手は、ゆらゆらと揺れて定まらない。

 

「ちょっと結子ちゃん、飲み過ぎよ」

 

ママが、結子を諭すように言った。

 

「だって今日は休みなんだからいいじゃない」

 

「あんた、休みって言ったって、いつも飲んでるじゃないの、お店で」

 

そう、結子はキャバクラで働いている。

 

毎夜、毎夜のように、お酒に飲まれては、この店にやってくる。

 

「なによ、オカマのくせに」

 

「失礼ね。オカマはステイタスなのよ」

 

ここはオカマバーで、ママは律子だ。

 

結子とは長い付き合いなので、これくらいの事では腹が立たない。

 

「とにかく、今日はもう寝なさい。布団敷いておいたから」

 

「ここの店は、客にお酒を出せないって言うの?」

 

「何がお客よ、ただ同然で飲んでるくせに」

 

「うるさいなあ、出世払いで倍にして返してあげるわよ」

 

「わかったから、とにかく上に上がって寝なさいってば。ちょっと真由美ちゃん、この子上に連れて行ってあげて」

 

「はーい。いつもの部屋でいいのね」

 

「そう、上がってすぐの部屋ね。よろしく」

 

真由美はオカマバーの仲間だ。もちろん元々は男なので、力はある。

 

結子の体くらい、簡単に持ち上げられるのだ。

 

そしてそのまま、結子は2階へ抱えられて行った。